神経ブロック(伝達麻酔)
手術で使われものとして上腕神経ブロック・斜角筋神経ブロック・大腿神経ブロックです。
使用される薬剤としては、キシロカイン・カルボカイン・マーカイン・アナペインが主になります。
主義としては、血管貫通法・エコーガイド下・電気刺激法等があります。
基本的には、神経は動脈や静脈に並走して存在します。その為、血管貫通法は動脈を触知し血管を貫通することで、動脈の裏に存在するはずの神経に麻酔薬を注入します。血管を貫通するため、細い針を使用して注入後は止血のために圧迫が必要になります。また、血管内への注入の危険性もあります。
エコーガイドでは、エコーを使用し動脈・静脈・神経を確認して穿刺します。確認の際、カラードップラーで血流の有無を確認することもおります。画像で確認しての穿刺なので、確実性はありますが、エコー装置が必要となり多少大掛かりになります。
電気刺激法は、電気刺激を神経に与え筋肉の収縮の有無で神経の部位を特定して麻酔薬を注入します。実施の際には、刺激装置が必要になります。
その他として、動脈貫通法の応用のような感じになりますが、動脈を触知しそのまま動脈を圧排し動脈の裏側にある神経に穿刺します。神経に当たるまでに探る必要がありますが、血管内への注入の危険性は低くなりますし、止血も必要ない場合がほとんどです。
上腕神経ブロック
上腕神経ブロックは安全性を考えて、腋窩神経叢をブロックする場合が多いです。
主に肘から抹消の手術で使用されます。
ただし、神経叢でのブロックのため効きにムラがあり、穿刺時の痛みの放散部位と手術部位が一致しないと効きが不十分なこともあります。その場合は、局所浸潤麻酔を併用します。
体位は、仰臥位で肘を90°屈曲・肩を90°外転して行いますので、介助者は腕を支えます。
薬の注入は5ml毎に血管内に入っていないことを確認し、注入後15分で麻酔がかかります。
医師によっては薬剤の広がりを抑え効きを良くする為に、注入部より末梢部で駆血することがあります。
麻酔後は、運動神経もブロックされるので麻酔効果が持続注は筋力が低下します。そのため、術後は三角巾等で腕を吊っておく必要があります。
斜角筋間ブロック
斜角筋間ブロック針は、頸部の斜角筋間に麻酔薬を注入するもので、適応は鎖骨や肩になります。(前腕等には効き目がない場合があります)
体位は枕無しで、穿刺側と逆側に頭を向けます。それでもわかりにくい場合は穿刺側の腕を引っ張り、腕を内転します。こうするこで斜角筋が分かりやすくなります。
使用する薬剤は、キシロカイン・カルボカイン・マーカイン・アナペインを使用します。針は23Gより細いものを使用し、穿刺時に肩や腕に放散痛を確認して薬剤を注入します。
15分くらいで、効いてきます。
多くは術後の痛み止め目的で使用しますが、ブロック単独でも手術は可能です。しかし、完全な除痛は困難なので局所浸潤麻酔との併用の事が多いです。
この麻酔の大きな問題点として、咽頭神経麻痺による声帯の麻痺、横隔膜神経麻痺による麻酔側の横隔膜麻痺、星状神経麻痺による眼症状や顔面の熱感が起きる可能性があります。
麻酔後、酸素飽和度・呼吸苦・嗄声・呼吸時の胸の上がり・目の見えにくさに注意が必要になります。
指間ブロック
指のみをブロックする麻酔で、指の手術で使用される麻酔です。
指の神経は指の両外側を走っているので、手技は指の両外側を穿刺して行います。神経の確認は行いませんが、麻酔薬の浸潤により神経がブロックされます。
適応は、指の外傷や爪の疾患です。
指のみの麻酔のため、タニケットを使用する際はタニケットペインは避けられないので、事前の説明が必要です。
大腿神経ブロック
大腿神経ブロックは主に術後の疼痛コントロールに使用されます。
手術に使用されない理由としては、脊椎くも膜下麻酔の方が確実な麻酔が可能なためです。
穿刺部位は大腿内側で大腿動脈に並走しています。
主義としては、主にエコーを使用し神経を描写して行われます。場合によっては、神経刺激装置を使用して行う場合があります。
ブロックの適応は、膝から末梢にかけてになります。